「スタッフの方が何回も『傘を閉じて下さい』と言っても聞かないバカップルがいた。 スタッフの方が『あの人達に向かって笑ってやって』と言ったら、周りが笑い声で一杯になって、それでやっと傘をさすのを止めた。 ルールを守らない人はいるが、笑い声で止めさせるとは良い考えだなと思う。」

もう少しある分は後日へ。

初恋素描帖 (ダ・ヴィンチブックス)

初恋素描帖 (ダ・ヴィンチブックス)

初恋素描帖 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

初恋素描帖 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

豊島ミホ『初恋素描帖』(メディアファクトリー)1200円(税別)
巻末の初出一覧に拠ると、「ダ・ヴィンチ」2007年2月号〜2008年1月号に掲載された12話+書き下ろし8話からなる、とある中学の2年2組の物語。1話で1人、2年2組の誰かが主人公になっていく。刊行された月に合わせて物語の中の季節も進んでいる(なので、2月から始まってるけど1年間の物語)らしい。始めの平田葉と次の木村直樹まで読んだ処では合わないかなとも思ったけど、その次の吉田美雪くらいから面白くなっていった。初期ステータスは各自異なるけどレベルは一緒、みたいな感じか。森和也は題材から外れてるかとも思ったけど、こういうのもまあ有りなのか、それとも何かを読み落としたか。中学生の1クラスものという事で、小山田いくの『すくらっぷ・ブック』が思い出されて懐かしい。この本は目次が無いのが読みづらくて、巻頭に出席簿と掲載順・掲載頁は載っているけど、各話の主人公以外のキャラが別の話の主人公なのか単なるクラスメイトなのかを確認しようとすると、巻末の初出一覧をたどらないといけない。反射的に目次目次と指が巻頭を探るので、そこが面倒くさかった。

豊島ミホは以前から気になっていた作家だったけど、初めて読んだ本は見かけていた評判から少し離れているらしき中学生ものになった。しかしこれが結構面白かったので、他に中学生ものが書かれているなら読んでみたい。ところで、この本、先月に文庫落ちしたのか。表紙が変わっちゃったみたいで、各キャラを計算して配置してあるソフトカバー版の表紙は力作だけど、文庫版ではそれが見られないようでちょっと残念。

師岡康二のラストを見て、井上荒野の『学園のパーシモン』のラストシーンを思い出した。『学園のパーシモン』は始めと終わりくらいしか覚えてなくて、それももう漠然としているから、いつかもう一度読み返してみたい。

「現実世界の絶望を糧に二次元世界のキャラクターたちは年をとらない」

学園のパーシモン

学園のパーシモン