西崎憲『蕃東国年代記』(新潮社)1400円+税
日本海に位置する架空の日本っぽい国を舞台とした、平安風の五編の短篇集。奥付に拠ると、「幻想文学」二〇〇三年六十七号に掲載された短編を改稿したもの以外は書き下ろしだそうで、この短編以外は登場人物が共通しているから、短編を書いて世界観を気に入ったので他を色々と書いてみた、みたいな感じなのかな。全般的に雰囲気先行のお伽話めいて、細かい事は気にするなみたいな結末もちらほら。楽しいけど、こりゃどうなってるんだ、みたいな。表紙の装画も、珠が3つあるから内容に沿ってはいるんだろうけど、じゃあこの二人の人物は誰かとなると適当なキャラが思いつかずに首を傾げる。まあ雰囲気はなかなか楽しかったので、和風ファンタジーお伽話を読んだと思えば、普段は余り手を伸ばさないジャンルに触れた面白い読書でした。でも、一番面白いのはウィキペディアの作者の項目か。

「フルーツキングダム」の同人誌を彫り出してみたら、椎名知空、よく見れば綺羅星のポーズなんかやってた。「カップラ侍」を読み返せたので満足満足。今、フルーツキングダムで検索すると、農家の通販みたいな方がヒットするんだよなあ。

「そういえば俺一時期ハレぐぅのアニメだけを生きがいに生きてたことあったな」