七原七典『神の一球』(講談社Birth)1000円(税別)
春から高校球児となる天才スラッガーの佐野慶司が野球に退屈しかけてるので、お前いっちょ魔球を授けるから3年間あいつ抑えてこいやと野球の神様に言われたのは、京極パンサーズのZではなく大の野球嫌いの主人公、繭村剣でした……というお話。佐野慶司がザンディア・ダンカンほどに大人で経験なクリスチャンだったら野球道に邁進していったかもしれないけれど、「主の孤独がおぼろげながら私にはわかる 誰一人として自らの前に立ちふさがり得ぬ孤独が」「果てしなく続く勝利など甘美なだけの悪夢」「”敗北の可能性”この未知なる麻薬のなんという陶酔感!!」、スポーツはいいな、勝負はやはりフェアな方が面白い。web小説で人気部門のチート主人公だとこういう展開は望めないので、やはり商業チートもあった方が楽しいな。

東スポに、オウム高橋が逃走中個室ビデオ店で、吉沢明歩の『秘密捜査官の女 鬼畜テロリストの淫謀』というAVを観ていた、という記事が出ていて、事件と無関係ではとの批判もあるけどどう思う? と知人に尋ねたら、「アレは名作だと思います」という自信満々に答えられた。とても瞳が輝いていた。」
ASAもその点は評価していたから本当に逸品なのかもなあ。

神の一球 (講談社Birth)

神の一球 (講談社Birth)