テレビでアルコール飲料のCMだったかな、聞き慣れたメロディーとマリリン・モンローの歌声が流れてきて、でも曲名が思い出せない。思い出せないけれど、曲名が登場する小説の場面を覚えていたので、本棚から藤井青銅の『クール・ボイスでささやいて』を引っ張り出してみた。以下、139頁1〜10行目。
「「あのう、申し訳ありません。この番組はこういった日本の曲はかけないのですが……」
「ああ、そうか。なんと言うてもFMやからな。わかったで。なに、心配はいらん。わしかて外国の曲のひとつやふたつは知っとる。マリリン・モンローの曲はどや?」
「モンロー? いいですね」
「ほな、それや。ほれ♪シュドビシュドビ〜〜♪とかいうあの色っぽいのをリクエストするわ」
「あ、わかりました。アイ・ウォナ・ビー・ラブド・バイ・ユーですね」
 もちろんこれはビリー・ワイルダー監督の「お熱いのがお好き」という映画の中で歌われたものである、それはこともあろうに、マフィアからひたすら逃げまわるというストーリー映画なのだ。」
かくして問題解決。

「うまくいく人は、早く挑戦して、早く失敗して、早く修正するというサイクルを高速化しています。」