■
「研究室のホワイトボードには「内定/zero」と「修論/stay night」と書いてあり、この研究室の学生の精神衛生を如実に表していると言えよう。」
「この前とある女性から聞いた「私サブカル女子じゃないですよ、だって乳デカいですもん」というセリフが非常に印象に残っていて忘れられない。」
「いつの間にか、「吉祥寺みやげ」を売る店ができている。僕の生まれた町は、観光地になりつつある。
帰り道、頭上にエンジン音。見上げると、セスナ機が旋回するところだった。窓枠まで、はっきり見えた。 そのはるか高空を、真っ白なジェット機が音もなく飛んでいた。『ヨコハマ買い出し紀行』に、二度と地上に下りられない航空機が出てくる。それは、滅びてゆく地上の様子を記録するために、たった一機で飛びつづけているという設定だ。
人の死は泥臭いものだし、僕が死んだら、土に埋めてほしいと思っているが、天国や涅槃は、はるか高空に近い。人間の魂は、本来、高潔なものなのだと僕は信じている。」
もう少しある分は後日へ。
鳴海丈『さすらい右近無頼剣』(光文社)514円+税
短編三本。「ものぐさ右近」シリーズの5作目にして第1作の前日譚という位置づけになり、人を斬る事を嫌う理由や刃のない鉄刀を佩びるようになった訳など、主人公のスタイルの理由付けが描かれていて、面白かった。色物を絡めた「紅の三度笠」よりは、子供を上手く使った「かげろう」や、トラブルとトラブルを掛けあわせたらハッピーになってめでたしめでたしみたいな「若君街道」が良かったな。鳴海丈の明るい時代小説は良い。そういえば、幡大介の「大富豪同心」も新刊の広告を見かけたな、楽しみだ。
某所から飛んで。
「ケイジャン料理だけじゃない、俺だってセロリは大好きだ!!
でも、ここ日本じゃ高すぎるんだよ!!
高すぎるだけじゃない、日本のセロリのほとんどはクソみたいな質なんだ!
ひょろ長いセロリが1本で100円だと?
100円以上する時だってある。
ハイウェイ強盗かよ!
ブラッディ・マリーをセロリ無しで作れってか?」
好んでセロリを食べたいとは思わないけれど、そういえば割りと近場でセロリとイカが美味しかったレストラン、久しく行ってないな。
「「如何にこの世に生を受けたかと一人の人間としての生き方は別なのだ」
このセリフにぐっときた。」
- 作者: 鳴海丈
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/10/11
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る