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菊地秀行の『吸血鬼ハンター D-黄金魔』上下巻を読了。最近は結構なペースで進んでいるようで、上巻を読んでから数ヶ月で下巻も読み終えた。神祖絡みの訳有りとはいえ借金取りに雇われるDと借金に追い立てられる人間達貴族達という、ソノラマの緑背表紙の頃のDから比べると、いやはや何とまあ。これはこれで面白かったし、このところ終わってみれば死屍累々だったのに比べれば少なくとも3人は生き延びたし、話をややこしくしようとゴチャゴチャした場面も目立つけど鮮やかな場面は(何となく既視感も覚えないではないものの)記憶に刻まれて残りそうだし、1回くらいはこれくらい笑えるDがあってもいいかな。倒される直前、ヴェレニス侯爵が娘に勝ち誇るように胸を叩いて告げた理由、全貴族が泣くぞあれは。
ところで、下巻33頁9行目、「貴族の最高位たる<神祖>はひとりの係累も持たぬ孤高の存在」とある。思い出すのは『D-妖殺行』、バルバロイの里の長老が後から持ち出した方の掟。神祖は隠し子ばかり拵えて困ったものです。
「何かを「やりたいッ!」って思ったときに、心の振り子が振れるんだ。
だけどすぐにその振り子が振り戻ってくる。
「やっぱりリスクが大きいかな」とか「人になんて言われるかな」とか。
その戻ってくる振り子を、もう一度振り切る力というかね。それが大切なんです。
振り子は戻ってくる力の方が大きいもんだからね。
アソトニオ猪木さんが雑誌の取材で言っていた言葉」
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