「風俗店に行ってネーチャンを指名するのに「胸がデカイ」とか「若い」とかじゃなく、ただ「オモロイ子を頼む」と言う人がある、なんて話を聞き、世の中には物のわかった人がいるもんだと感心したことがあるよ。」

「仮に「仕事と私、どっちが大事なの?」なんて問いをした時に「君」って答えて仕事やめてくれるような人とか、「世界と私、どっちが大事なの?」なんて問いに「君」って答えて世界を滅びるに任せてくれるような人を相手にしたり、その好意を受け止めるというのは、機転が利かないと相当大変だと思う。」

「俺が見て不快だからそれはもうイジメだやめろよって一番腕っこきだけどヤンキーで無い奴がいて基本傍観者の癖に行き過ぎると止めてるやつがいたな
アレでギリギリイジリの範囲でバランスとれてたし特別正義感が強いわけでもないけど彼はいい奴だったといまにして思う
こんな奴がそうそういるわけでないだろうし運のいいクラスにいたんだなとイジメ事件見るたび思う」

「新しいものに拒絶反応を示すのは歳をとった証拠なので、身に覚えのある方は気をつけられたし。」

もう少しある分は後日へ。

中田永一の『百瀬、こっちを向いて。』から、表題作を読了。これ、「僕は友達が少ない」とか「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」にタイトルを入れ替えても、それほど問題は無さそうに感じて、改めて両者のタイトルの汎用性を思い知らされた。閑話休題。2人と2人と1人の物語で、もっともっとエピソードを足して膨らませられそうなところをバッサリ切って短編に、といった印象。今だからこそ振り返る事の出来る過去の愚かさとか有り難さとか、今と過去が交互に訪れる構成等々、そう言えばこのゴールデンウィークには『海がきこえる』を読み返さなかったなあ……と意識が跳躍した。もしかすると、コバルト文庫や他の少女小説レーベルを探せば、こういった作風の本は見付かるのではないか。順番の問題で、少女小説を読んだような、そんな気分に。試みに検索してみると……講談社X文庫ホワイトハートは「現在では恋愛小説としてのボーイズラブジャンルの作品や乙女ゲーム原作の小説の刊行が目立つ。」、ふむふむなるほど。一方、学研レモン文庫や双葉社のいちご文庫ティーンズ・メイトは既に市場から撤退、ふむふむなるほど。

「受け手のことを考えない「表現」は「発散」といいます。」

百瀬、こっちを向いて。

百瀬、こっちを向いて。