「「おまえが脱落するとチーム全員の一年間の努力が台無しになるんだぞ」という設定のブラックな重苦しさが駅伝人気の秘密なんだろうな。」

「(癌病船)
女を凌辱する鬼畜小説ばかり書いてるかと思えば、こういうヒューマニズム小説も書いてくるのだから、西村寿行は油断ならぬ。世界中の難病と戦うべく船出した癌病船。白鳥船長が宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長みたいで恰好いい。文体も他の西村作品とは明らかに違っていて、漂う哀しさが素敵。でも国際政治のごたごたがややこしくて、ちょっと好き嫌い分かれるかもね。」

「(癌病船応答セズ)
この本の後半はまさに地獄絵図だ。これまたさらに好き嫌い分かれるだろう。個人的に残念なのは、前作で感動度を上げてくれた難病の少女らが登場せず、普通のエンタメ風になってしまったこと。しかし繰り返すが、この本の後半は、哲学的、医学的、倫理的に凄まじい。世紀の大傑作だと誉め讃える読者がいてもわたしはなんら驚かない。」

「インターネットは誰かを“引ける”。
すべてのデメリットを受け入れてなおあの快感には抗いがたい。」

もう少しある分は後日へ。

和洋女子大学で10月4日に冲方丁のシンポジウムがあるそうで、参加者200人募集だとか。大学教員や女子大生とトークセッションもあるのか、客層はお年寄りばかりになるのか、それとも。『はなとゆめ』は読んでない。『光圀伝』も読んでない。

某所より。
「ところで、狂気モノとして有名な『さよならを教えて』は、Key作品を代表とする泣きゲのメタとして見るユーザも、少なくなかった。昨今の、「ヒロイン全員が主人公の身内」というのも、行き着く先は「皆、裸で、主人公の部屋に住んでいる」であろう。」
お布団で眠る前の妄想が行き着く先としては限りなく正解だとしても、「大切なのは過程です。結果だけならジャンケンでいい」という前提条件は覆し難い気がする。裏を返すと、家系図レベルまで盛り込んだ大長編を妄想できる才能に恵まれていたならば、それだけで満足できる可能性は十二分、とも。

「小説を書くときは「人物の動き」、「情景描写」、「服装や武器などのアイテムの説明」、「状況描写」を一緒に書くのではなく、別なパートに分割して書いたほうが読みやすくなります。よく「目が滑る」と言われる長文は、そういう切り分けできていないからです。これ豆な。かなり読みやすくなるよ!」