「明日銃で撃ち殺されるかもしれない人間に対して、10年後の自分を見据えて計画をたてろ、と言っても無茶でしょう。今日を楽しく生きることが全てであって、そこには人としての成長余地なぞありません。このことから、『BLACK LAGOON』は短期的かつ短絡的思考の罠にハマりって「成長を止めた子供のような大人」たちの話であるといえます。そこで起こる事件はことごとく、原因が放置され、結果の収拾だけが行われます。」

「小説家やマンガ家になるのは、医師や弁護士になるより、100倍以上難しい。法曹は2000人、医師は8000人も新規参入して、大半が死ぬまで続けられるが、小説家も漫画家も、デビューしてから10年続けられる人は年に数人程度だ。」

「ネットだと女ってだけでちやほやされるが、男としてもネットの方が女の子をちやほやしやすいことに気づいた。会社や学校で女性を無責任にちやほやしたら様々な方面から圧力が加わる。」

もう少しある分は後日へ。

石川博品『明日の狩りの詞の』(星海社)1350円(税別)
腰巻に「外来宇宙生物を狩って、調理して、食べる──。」とあって、確かに内容はその通りではあるのだけれど、(『山賊ダイアリー』や『ダンジョン飯』や『ゴールデンカムイ』が思い出されるのは時期的にやむを得ないとして)専ら作者の『ヴァンパイア・サマータイム』を思い出しながら読み進めた1冊。キャストの配置は何処が一緒で、何処は変えてきたか。一人称と三人称。隣人なのに異文化、職人的なサービスシーン、昼と夜。読んでいて倫理という言葉がちらつく。ハンターの倫理、家族や学生としての倫理、地球人の倫理。社会道徳ではなくて主人公個人の倫理。だから、面白かったけれど、何処がどう面白かったかは言葉にまとめにくい。物分かりの良いプレデターが成人儀式のハンティングに主人公とヒロイン達を巻き込んで……という物語の面白さは、勿論、有る。未消化の伏線が多いので続刊が出るのを期待したい。ところで、巻頭のキャライラスト、どうして主人公が最初ではないのだろう?

ふの付く某所にて、星新一の「妖精配給会社」というショートショートが全肯定によるダメ人間の製造という話らしい。気になる。

「「大好き」が何かの拍子に「大嫌い」になる怖さ。 だからこそ「距離」大切。 世の中には「良い様に見えてるのは近づいてないから」というモノがたくさん。」

明日の狩りの詞の (星海社FICTIONS)

明日の狩りの詞の (星海社FICTIONS)