この時期に訪れても菊の展示だけで他の植物はあんまり面白くなかったのを思い出しながら、再び植物苑へ。鉢植えの黄色い阿房宮は派手さで目を引きつけ、母の愛とか月の匙は名前で目を引く。一口に古典菊と言われても素人目には嵯峨菊と伊勢菊と美濃菊と肥後菊と江戸菊の違いなど分からなくて、白いねー黄色いねー赤いねー細いねー太いねー丸まってるねーくらいに素朴な鑑賞。「古代人が〜」という看板をあちこちで見掛けたので、特に畑で食用のネームプレートが立っていた畝は、弥生人とか縄文人の収穫を模した品種改良前の植物だったのかもしれない。

近くの麻賀多神社でも、七五三の用意の傍ら、入り口の階段の両脇に涙滴型の盾みたいな物に小菊を飾られていて、試みに検索してみると……前垂れ型懸崖というらしい。前に、あれは在学中のZを訪れた札幌だったか、それとも東北・北陸旅行での盛岡だったか、菊のコンテストに出くわして通路(地下だったかもしれない)に前垂れ型懸崖が並んでいた。遅い七五三で天候も不順だったものの、境内にいる人達は楽しそうだった。

パン屋の割引券付きカレンダーを配るのはこの連休かと思ったら、流石に気が早くて、来月の中旬だった……と、覚書。

「本屋で実際に見て触れて、その本に「惚れて連れて帰る」というプロセスが踏めないのは味気ない。」