午前中、NHKラジオをつけたらクラシック音楽がまさに終わるところで、普段なら曲名など気にも留めないのに、「「フーガの技法、新しい3つの主題に拠る未完成のフーガ」、バッハの未完成の曲なので唐突に終わっています」と紹介されたのを聞いて、しまったと思った。『唇にパンク』の2巻、10分56秒のスコアを終えて更に、「バッハ〜〜〜!」「あんたと対マン張ってやるぜ」「どうだいこのフレーズは」と遠藤完が挑み、猿襟先生が「遠藤のピアノは」「バッハの墓を掘り起こすスコップだ」「力の限りふり下ろせ」「この猿襟がしかと見届けてやる」と聞き入る、あの曲だと知っていれば、もう少し早くラジオのスイッチを入れていれば。

古くて著作権の切れた白黒映像のDVD、何年も前は本屋で500円の物を見掛けたけれど、最近は290円まで値下がりしているのか、『カサブランカ』のDVD、あの「君の瞳に乾杯」という台詞が字幕翻訳では別の台詞に差し替えられていて、つい2枚目の廉価版を買ったけれど、思えばどうしてわざわざ変えたのだろう。翻訳家なりに何か期するところ秘めたところでもあったのだろうか。

「「プロカウンセラーの聞く技術」には「欠点や失敗談の話は、もっと大きな欠点や失敗を隠すためのものであることが多い」と書かれていました。あまり痛くない過去を「これは黒歴史なんだけど〜」と語ることでそれ以上の失敗談を話すのを避けているわけです。」