「ノマカプにしろ百合にしろBLにしろ、カップルを見つめる話でもっとも重要な台詞は、「オレはこの当事者じゃなくてこいつらを見つめているだけでいいんだ」と言う状況に読者を引き込むためのそれではないだろうか。」

「至福に満ちた人とは、期待せずに生きる人、ただ生きる人、「ものごとはこうあるべきだ」と要求していない人のことだ。彼は何が起ころうと、十全に注意深く生きるすべを知っている。彼は生にあって醒め、死にあって醒めている。彼は幸福にあって醒め、不幸にあって醒めている。彼は秘密の鍵を得ている。」

「私が古代ギリシャ人の表現で一番ビビったのは、普通の戦闘シーンでの「彼の首からは緑色の血が噴き出した…」。彼らの色彩感覚の前知識がないと「ど、どういう事!?こいつ宇宙人だったの!?!」等と思ってしまいますからね…。古代ギリシャではフレッシュなものは血でも汗でもとにかく緑!」

もう少しある分は後日へ。

幡大介『大富豪同心 御用金着服』(双葉文庫)620円+税
シリーズ15冊目から始まった大水と金にまつわる物語、3冊目のこの巻で一件落着、めでたしめでたし。16冊目を飛ばして読んでしまったけれど、徳川山満徳寺の梅白尼といつの間にやら仲良くなっていたのが不思議なくらいで、楽しく読み通す事が出来た。いつか、機会があったら、15冊目から順番に読み進めてみたい。
以下、38頁7〜9行目。
「「命を捨ててまで堕落に徹することができるほどには、江戸の役人は肝が太くない」
 酒井信濃守は、そう言い切った。」
ここからの主人公の放埒ぶりと、いわゆる勘違い系のエピソードの転がり具合がたまらない。街道筋の悪人から示現流の剣豪、果ては老中の悪巧みまで、ギュギュッと話が詰め込まられて、よくぞまあ1冊にまとめ上げられた、とお腹いっぱいに。用心棒の水谷が最後に割りを食って、力づくで笑いを持ってくるとは。

長崎のカステラの切り落とし、福寿屋の名前で検索してみると……販売してる名義が福寿屋で、製造しているのは和泉屋、なのかな。ザラメは付いていたり、ほんの少しだけ付いていたり。

「>蜘蛛になった姿を奏子に見られたくないという理由だけで
>生身のまま銀と戦うという行為が当時の俺にクリティカル
>萌え死ぬ
かなこはかなこで蜘蛛姿の姉さまに全く動じず
ナチュラルに人の姿の時と同じ様に接するというのがまた良いのよね」

御用金着服-大富豪同心(17) (双葉文庫)

御用金着服-大富豪同心(17) (双葉文庫)