田中光二『五人武蔵』(ベスト時代文庫)657円+税
元和3年から4年を舞台に、宮本(とは限らないけれど)武蔵を名乗る武芸者たちを退治して回る前半と、舟島(巌流島)で本物の宮本武蔵が二代目佐々木小次郎を名乗る武芸者と因縁の対決を果たすまでの後半、そしてエピローグ。武蔵を名乗る者たちが都合5人登場するので『五人武蔵』、タイトルは目を引く。しかしながら、前半と後半とでは物語が分断されたような構成で、それをつなぐために佐々野那智というヒロインが登場。父の仇を探し求める女武芸者、という役回り。エピローグを含めて、結末から逆算して逆算して書き上げたような印象を受けた。剣豪小説はキャラクターがどんどん死んでいくのがよろしい。

書店KIDDY LANDのブックカバーが付いたハードカバー、本棚から引っ張り出して眺めてみると、ペリエ3階にあった店で付けてもらったらしい……書店の記憶が全く無い。ペリエは、一時期、ソフトベンダーTAKERUが置かれていたのを覚えてる。千葉駅の工事、まだ続く。

「オタクじゃない人は、オタクから見るとあらゆることに対して、深く知ろうとしていない。「深く知ろうとする」という発想自体がオタク的らしい。」