円居挽『日曜は憧れの国』(創元推理文庫)(本体680円+税)
ミステリーズ!」vol.69〜73に掲載された連作短編集。「四谷のカルチャーセンターの料理講座で出会った、性格も学校もばらばらな4人の女子中学生。ところが、教室内で盗難事件が発生。少女たちは真相を推理することに…。校外活動青春ミステリ。」とあって、5枚綴りのチケットを持った4人の女子中学生たちが、5つの講座と5つの謎を体験する、洒落た物語。あとがき曰く、「本書のテーマは『若い頃の悩み』」だそうで、眩しい。将棋と日本史は読み返そう。

「たくさんの漫画が終わります。それは、たくさんの人に十分知られて、面白いとか面白くないとかそれぞれに判断される前に終わります。

 しょうがねえよなあという気持ちがずっとありますが、それでも、終わったはずの漫画が、筆を折ったはずの漫画家が、熱心なファンの人の支えによってその続きが生まれたりすることもあって、それに感じ入ることがあって、ああ良かった…ああ素晴らしいと思いつつ、そこには自分は何も貢献しておらず、ただ、その人たちの頑張りの果実をむさぼるだけだなあと思い、ありがてえありがてえと思ったりしています。」