千葉市美術館の「没後70年 北野恒富展」へ。公式サイト曰く、「東京の鏑木清方、京都の上村松園と並ぶ、大阪を代表する美人画家として活躍を続けました。高い技術と自由な発想をかねそなえ、また最初期は妖艶な女性像に挑んで「画壇の悪魔派」と呼ばれ、」だそうで、明治後半の新聞小説などが展示されていた。驚いたのは、当時すでに囲碁棋譜詰将棋の出題があったこと。歴史があるんだなあ。閑話休題。ポスターは「墨染」なのに、どうしてチケットの図案は「淀君」なのか。これも、「妖艶と清楚、聖と俗の交錯する、恒富の魅力に迫ります。」という意図なのか。出品目録を見て、後から思い浮かぶのは、「狂女」や「宵宮の雨」、(山田芳裕の『へうげもの』で主人公が語るチラリズムを彷彿とさせる)「風」、ミュシャっぽかったポスターの「貿易製産品共進会」。期間中に入れ替えがあって、「口三味線」や「星(夕空)」(下書きの隣りに縮尺図のみ)は見られなかった。上階のレストランに「《願いの糸》ペペロンチーノ、鶏肉の「悪魔」風を添えて」というコラボメニュー。

「何度も引きなおすおみくじのように、こうだと思い込んだ結論に合わせて運命を捻じ曲げた。」