幡大介『大富豪同心 海嘯千里を征く』(双葉文庫)620円+税
シリーズ20冊目。殺人事件の被害者を船乗りと割り出し、巡り巡って、大阪から江戸への新錦番船争いに繰り出す主人公たち。以下、195頁14行目〜196頁2行目。
「似の積み込みをはじめとして、ありとあらゆる港湾作業は、昨年の新錦番船の順位に従って行われる。昨年の一位がいちばん最初に似を詰み終えて出港準備を終える。昨年の最下位がいちばん最後まで待たされる。
 新錦番船の勝利者は、一年の間、湊での優遇措置を受け続ける。廻船問屋が目の色を変える理由のひとつがそれであった。」
えーと、去年の「ヤングマガジン」で連載されていた漫画が、ちょうど同じ題材だったような気が。試みに検索してみると……玉井雪雄の『本阿弥ストラット』、こちらは「江戸時代最大の帆船競争・新酒番船」とある。

「『妖怪惑星クラリス』、「インターネットのゲーム化」としか言いようがない混沌としたゲーム内容といい、サービス終了告知から数分でサービス終了・公式サイト消滅という幕引きといい、電子空間の集団幻覚、現代の民間伝承って感じがすごい。後年の人たちに説明しても信じないでしょコレ。」

海嘯千里を征く-大富豪同心(20) (双葉文庫)

海嘯千里を征く-大富豪同心(20) (双葉文庫)